経口セマグルチド(リベルサス Ⓡ)は注射薬のGLP-1受容体作動薬であるセマグルチドに工夫をして胃粘膜から吸収可能にした画期的な唯一の経口GLP-1受容体作動薬です。
ただし薬剤を吸収させるため起床時にコップ半分の少量の水(約120ml)で服用して胃にとどまらせ約30分間飲食や他の薬剤の服用を控える必要があります。
従来のGLP-1受容体作動薬は注射薬しかなく、注射に対する抵抗から患者の方々を解放した薬剤です。
GLP-1受容体作動薬は、GLP-1受容体を直接刺激しインクレチンホルモンであるGLP-1を介して膵臓のβ細胞に働き血糖に応じてインスリン分泌を促進し、一方では血糖を上げるホルモンであるグルカゴンを抑制し、両方向から血糖を下げていきます。
低血糖も単独では引き起こしにくいと言われています。
更に脳に働き満腹感を引き起こし、胃からの食物の移動を遅らせることにより食欲を抑制します。また脂っぽいものが食べたくなくなるなど食事の好みが変化し高カロリーのものを好まなくなる場合もあります。その結果体重を減らすことが期待できます。ただし副作用としては悪心嘔吐などの消化器症状を認めることがあり、それを防ぐため3mg、7mg、14mgと用量は徐々に増やしていきます。
どうしても食べ過ぎてしまう脂っぽい食事を好む血糖コントロール困難な方には著効を示す可能性があります。