糖尿病の致死的合併症として癌を忘れてはなりません。
糖尿病患者に癌の発症が多く死因の第1番目であることが示されています。原因としては、高血糖による酸化ストレス、慢性炎症そして高インスリン血症も考えられています。ですから、2型糖尿病においてSU薬や長期インスリン療法など血中インスリン濃度を高める治療はできれば避けたいと考えられるのです。
また、糖尿病患者には胃癌、大腸癌が多いと指摘する論文があり、これらは早期発見による治療も有効であり定期的な消化管の健診は必要であると考えます。膵癌、肺癌など多くの癌は現在も決定的に有効な治療法がなく、適切な糖尿病治療以外に、禁煙、節酒、脂肪制限、動物性蛋白過剰摂取を控える、野菜、果物の摂取、適度な運動、適切なビタミンミネラルの摂取などによる癌の予防が最も大切です。また精神的ストレスが活性酸素を引き起こし癌の大きな原因であることを忘れてはなりません。