糖尿病は大きな血管の動脈硬化を引き起こします。
心臓の冠状動脈に動脈硬化が起これば心筋梗塞を、脳血管に起これば脳卒中を、下肢動脈に起これば足壊疽の危険性が高くなります。最近の研究で最も重要な発見は、血糖コントロールだけではこれらの動脈硬化が予防できないということです。血糖以外の危険因子もコントロールすることが必要になります。
すなわち単純にヘモグロビンA1c7%(NGSP)未満、更にはもっと厳しく6%(NGSP)未満に血糖コントロールしても動脈硬化予防の保証にはならないという点です。血圧、高脂血症、喫煙などだけでなく、特に高インスリン血症のコントロールが必須です。また薬剤性の低血糖も心筋梗塞、脳卒中の原因となります。だからこそ、血中インスリン濃度をできるだけ上げないで低血糖を起こさない治療が重要なのです。