2型糖尿病の原因には、インスリン分泌障害とインスリン感受性低下(インスリン抵抗性)があります。
どちらが先かに関しては多くの議論があります。
日本人は、遺伝的にインスリン分泌能が低いと従来言われていましたが、そうではないという論文もあります。
私は日本における糖尿病患者急増の原因は、インスリン感受性低下によるインスリン作用不足であると考えています。
その原因として、車社会における運動量の低下、座位によるデスクワークの増加、連日飲酒による内臓脂肪増加、乳製品を含む脂肪摂取量の増加が指摘されています。
糖尿病の遺伝歴がある方だけでなく、遺伝歴がない方も細胞のインスリン感受性低下により高血糖となり、食後30分位のインスリン早期分泌が低下していきます。
しかし食後1~2時間位の後期分泌はむしろ亢進している場合も多いのです(食後高インスリン血症)。
そして高インスリン血症は動脈硬化や悪性腫瘍の発症増悪に関係することが指摘されています。