院長コラム2018.05.15
私は九大医学部を卒業後、まず東京女子医大病院で内科学を学びました。そこでお会いしたのが糖尿病センター所長の平田幸正教授です。九大の先輩でもあり当時の臨床糖尿病学の権威でした。米国臨床医学の父と呼ばれているウィリアムオスラー先生を彷彿させる臨床家で確固たる倫理観を持たれ、患者さんを大事にすることを自らにも私達にも徹底した先生でした。九大の後輩ということもあり可愛がっていただきました。病棟回診や外来診療を通じて平田幸正先生から医師として最も大切なことを教えていただいたことに深く感謝しています。
平田幸正先生が言われていた二つの忘れられない言葉があります。
「もし治療に悩むときは患者さんの傍に座って一日中でも考えなさい」
「患者さんのためにならない検査や治療を行うことは天を仰いで唾を吐くようなものだ」
7年前の開業時には思いがけない温かいお祝いのお手紙をいただきました。開業7周年を迎え平田幸正先生の教えを胸に今後も患者の立場に立った臨床糖尿病学の鍛錬を続けていく決意です。