なぜメトホルミンを使わないのだ|福岡市博多区内科・糖尿病内科 | 山本診療所

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なぜメトホルミンを使わないのだ

院長コラム2017.08.29

メトホルミンは約60年前にガレガソウという植物からフランスで開発され、過去約20年間欧米では糖尿病の診断がついた時点から開始すべき2型糖尿病の第一選択薬とされています。米国の糖尿病合併症が過去20年間に半減したという報告がありますが、このメトホルミンが貢献している可能性があります。時が経つにつれ評価が高まっているためヴィンテージワインに例えられることもある歴史的な薬剤です。私は過去約17年間メトホルミンを糖尿病治療に使っています。

肝臓からの糖放出を抑制し、筋肉の糖取り込みを亢進し、体重増加もなく、低血糖も起こしにくく、食前食後共に血糖を下げ、非常に安全性の高い薬剤です。臨床的に心筋梗塞や脳卒中を予防することが期待できる研究結果が報告されています。しかも癌抑制効果や抗加齢効果も示唆されています。日本人において肥満の方だけでなく痩せている方にも有効です。そして古い薬ですので特許は既にきれていて安価です。

ところが日本ではまだメトホルミンが第一選択薬になっていません。DPP4阻害薬という約7年前に発売された薬が積極的に用いられています。この薬剤は確かに程よい血糖降下作用があり低血糖も起こしにくい薬です。そして短期間の副作用は少ないようです。しかしインクレチンという通常は生体内では数分間で不活化されているホルモンの活性を不自然に維持し、免疫に影響があるといわれているDPP4という酵素を阻害します。長期的な副作用は不明なのです。また今までの研究結果では臨床的に心筋梗塞や脳卒中を予防する効果はなさそうです。

患者の立場に立った場合、どう考えてもこの時間の試練に耐えたメトホルミンが第一選択薬であるとしか考えられないのです。