炭水化物の少ない食事をすると糖処理能力は低下する|福岡市博多区内科・糖尿病内科 | 山本診療所

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炭水化物の少ない食事をすると糖処理能力は低下する

院長コラム2018.05.12

糖尿病の診断法に75gブドウ糖負荷試験があります。75gのブドウ糖水溶液を飲んでいただき負荷前と負荷後2時間値を測定して糖処理能力(耐糖能)を評価します。

1935年に英国のHimsworthが、健常者で負荷前1週間に摂取する炭水化物量をさまざまに変えてブドウ糖負荷試験を行った研究があります。すると炭水化物摂取量が少ないと負荷後血糖値は高くなり、炭水化物摂取量が多ければ負荷後血糖値は低くなるという結果でした。これは一見すると逆説的な結果です。Himsworthは、この結果の理論的根拠として炭水化物摂取量が増えるとインスリン感受性が亢進するという仮説を出しています。其の後、1940年にはConnがブドウ糖負荷試験を行う場合負荷前3日間は炭水化物を一日300g以上摂らないと糖処理能力が低く出て本来の糖処理能力とは違う結果がでることを指摘しています。1960年にはWilkersonが一日150g以上でも良いのではないかと発表し、その後、米国糖尿病学会、WHOでもブドウ糖負荷試験前3日間は炭水化物1日150g以上摂取することを条件としています。日本糖尿病学会もこのことを踏襲してきましたが、近年、いわゆる糖尿病専門医の間でもこの非常に重要な事実が忘れ去られている傾向があります。私はこの事に関して日本糖尿病学会で発表しています。人間ドックで前日が消化管検査のため絶食となり翌日ブドウ糖負荷試験を施行され2時間値が200mg/dl以上となったため糖尿病を疑われて来院された方がおられたのですが、炭水化物を前日150g以上摂取していただいて再検査を行うと2時間値は140mg/dl未満で完全に正常型の糖処理能力だったのです。

この炭水化物摂取量と糖処理能力との関係は、糖尿病の食事療法を考えるとき是非念頭に置くべき重要な事実であり多くのことを示唆しているのです。